この記事の要点

  • ラテンスパニッシュとは、ひとことで言えば「スペイン料理の骨格に、中南米の食材と味付けを乗せたもの」です。
  • スペイン料理と中南米の料理は対立するものではなく、16世紀から食材を交換してきた関係にあります。
  • 違いが最もはっきり出るのは、酸味と辛味の使い方です。
  • スペイン料理そのものが外来の食材を取り込んできた料理なので、日本の食材を使うことはその歴史の延長線上にあります。

「ラテンスパニッシュ」という言葉を、店の説明に使っています。ただ、これは業界の正式な分類名ではありません。お客様から「スペイン料理とどう違うんですか」と聞かれることも多いので、専門用語をできるだけ使わずに整理してみます。

結論から:500年前につながった2つの食文化

ラテンスパニッシュを一言でいうと、「スペイン料理の骨格に、中南米の食材と味付けを乗せたもの」です。

これは無理な組み合わせではありません。16世紀の大航海時代以降、スペインと中南米は数百年にわたって同じ文化圏の中にありました。その過程で、食材が大量に行き来しています。

もともとの産地食材今どこで使われているか
中南米 → スペイントマトスペイン料理の土台(ガスパチョ、ソフリート)
中南米 → スペインじゃがいもトルティージャ、パタタスブラバス
中南米 → スペイン唐辛子(→パプリカ)チョリソー、パエリアの色と香り
中南米 → スペインカカオチョコレート文化全般
スペイン → 中南米米ペルー・メキシコの米料理
スペイン → 中南米豚・牛・乳製品シュラスコ、チーズ料理

つまり「今のスペイン料理」は、すでに中南米の食材なしには成り立たないということです。トマトもじゃがいももパプリカも、もとをたどれば新大陸から来ています。

スペイン料理とラテンアメリカ料理は、対立する2つではなく、同じ木の枝分かれ。

では、何が違うのか

大きな違いは、「酸味と辛味の使い方」にあります。ざっくり整理するとこうなります。

スペインメキシコペルー
味の軸オリーブオイル・にんにく・塩唐辛子・ライム・香草柑橘の酸・唐辛子・日系の影響
代表料理パエリア、アヒージョ、トルティージャタコス、サルサ、モーレセビーチェ、ロモサルタード
辛さほとんど辛くない辛い(種類が多い)中辛・爽やかな辛さ
酸味控えめ(シェリービネガー)ライムを強く効かせるライム・レモンが主役

スペイン料理は、素材の味を油と塩で引き出す方向。中南米は、酸と辛味で輪郭をはっきりさせる方向です。この2つを1つの皿の中で使い分けると、料理の幅が一気に広がります。

当店が実際にやっていること

抽象的な話になりすぎたので、具体的なメニューで説明します。

スペインの技法に、ラテンのソースを

ローストチキン アヒベルデ(2,480円)。鶏を丸ごとローストするのはスペインの技法ですが、合わせるのはペルーの緑の辛味ソース「アヒベルデ」です。パクチーとアヒ・アマリージョ(黄唐辛子)を使った、爽やかな辛さのソース。

スペインの器に、日本の食材を

帆立といくらの太陽パエリア(3,600円)。パエリア自体はバレンシア発祥のスペイン料理ですが、帆立といくらは日本の食材です。サフランの香りと、いくらの塩気と弾ける食感。本場にはない組み合わせですが、日本の食卓には無理なく入ります。

ラテンの発想を、日本の魚で

水タコ・ハラペーニョ・サルサのカルパッチョ(1,200円)。メキシコのサルサとハラペーニョを、日本の水タコに合わせています。ペルーのセビーチェに近い発想ですが、素材は日本近海のもの。

「日本の食材を使う」のは、逃げではない

スペイン料理店が日本の食材を使うことを、「本場から遠ざかる」と受け取る方もいます。ただ、これは逆だと考えています。

スペイン料理そのものが、新大陸から来た食材を数百年かけて自分のものにしてきた料理です。トマトもパプリカもじゃがいもも、もとは「外来の食材」でした。であれば、東京の店が日本近海の魚や飛騨牛を使うことは、その歴史の続きです。

当店では、馬籠のサーモン、飛騨牛のうちもも、みかんを食べて育った猪、水タコ、穴子といった日本の食材を、スペインとラテンの技法で仕立てています。「なんちゃって」ではなく、料理の来歴としてまっすぐな選択だと思っています。

まとめ

  • ラテンスパニッシュは、スペイン料理の骨格+中南米の食材と味付け
  • 2つは対立するものではなく、500年前から食材を交換してきた関係
  • 違いは主に酸味と辛味の使い方
  • 日本の食材を使うことは、スペイン料理の歴史の延長線上にある

難しい説明はここまでです。実際のところは、食べていただければ2分でわかります。品川駅港南口から徒歩1分、お待ちしています。

よくあるご質問

スペイン料理の骨格に、中南米(メキシコ・ペルーなど)の食材と味付けを乗せた料理のことです。業界の正式な分類名ではありませんが、スペインと中南米は16世紀以降、数百年にわたって食材を交換してきた関係にあり、この掛け合わせには歴史的な裏づけがあります。

もっともはっきり違うのは酸味と辛味の使い方です。スペイン料理はオリーブオイル・にんにく・パプリカを軸に、素材の味を重ねていきます。メキシコ料理はライムの酸味と唐辛子の辛味で輪郭をつけます。ただし使う食材(トマト・パプリカ・じゃがいも)はもともと中南米原産で、スペイン料理の土台にもなっています。

邪道ではないと考えています。スペイン料理そのものが、新大陸から来た食材を数百年かけて自分のものにしてきた料理です。であれば、東京の店が日本近海の魚や国産の肉を使うことは、その歴史の続きにあたります。当店では馬籠のサーモン、飛騨牛のうちもも、水タコ、穴子などをスペインとラテンの技法で仕立てています。

大丈夫です。当店の料理は、ラテンの要素を「辛さ」ではなく「酸味と香り」で入れているものが中心です。ハラペーニョを使った料理もありますが、事前にお伝えいただければ調整いたします。

はい。バレンシア発祥のスペイン料理です。当店では「太陽のパエリア」として、牡蠣と白子(3,900円)、帆立といくら(3,600円)、とろけるチーズ(1,480円)の3種をご用意しています。

当店(SOL DE MEDIANOCHE 真夜中の太陽 品川港南口)は、JR品川駅 港南口から徒歩1分(約100m)、品川82ビル5階のラテンスパニッシュです。営業は16:00〜23:30(料理L.O.22:30)、月曜定休。個室(4〜6名)・貸切(着席35名/立食70名)にも対応しています。

スペイン語で「真夜中の太陽」という意味です。夜にしか灯らない光、という矛盾した言葉を店名にしました。看板料理の「太陽のシュリンプ」や「太陽のパエリア」は、この名前を皿の上に置いたものです。

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JR品川駅 港南口から徒歩1分。営業は16:00〜23:30(月曜定休・不定休)。
個室(4〜6名)・貸切(着席35名/立食70名)にも対応しています。

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